金沢大学 先進総合外科

患者さんへ

手術について_消化器の病気の手術

胃がんの手術

胃がんを完全になおすことができるのは手術治療だけです。
胃がんの手術では、腫瘍の大きさや範囲、リンパ節の転移の有無によって、胃と周囲のリンパ節を切除する範囲を決定します。

胃がんの手術の種類

幽門側胃切除術 胃の出口(幽門)側の約2/3の範囲を切除します。
胃全摘術 胃全体を摘出します。脾臓や膵臓の一部も同時に切除することもあります。
噴門側胃切除術 胃の入口(噴門)側の約1/3~1/2の範囲を切除します。
腹腔鏡手術について
  • 腹腔鏡手術とは、お腹に1cm程度の穴に高解像度のカメラを挿入して行う手術。
  • 手術でできる傷が小さいので、痛みが少なく、回復が早い。

腹腔鏡手術とは、お腹に1cm程の穴を数カ所あけて、腹腔鏡と呼ばれる高解像度のカメラを挿入し、専用の器具を用いて手術をする方法です。
胆のう摘出術、胃がんの手術、大腸がんの手術などに用いられています。
腹腔鏡手術では手術でできる傷が小さいので、術後の痛みが少なく、立ったり歩いたりするまでの回復の時間が早くなるメリットがあります。
しかし、胃がんの腹腔鏡手術では、他の手術と比べると高い技術が要求されます。
当科では日本内視鏡外科学会技術認定を取得した経験豊富なスタッフにより安全・確実な腹腔鏡手術を行っています。


腹腔鏡手術の手術痕(左)、開腹手術の手術痕(右)

手術の流れ

手術時間など

幽門側胃切除術と噴門側胃切除術は約3~4時間、胃全摘術は約4~5時間かかります。出血量は100~200ml程度で、通常は輸血は必要ありません。

手術後について
  • 1.術後管理

    手術後にお腹に溜まった血液やリンパ液を吸引するための8mm程度の細いチューブが1~2本入った状態となります。

  • 2.手術後の過ごし方

    術後1~2日目から歩行練習を開始し、術後3~4日目からお水を飲むことから始めます。徐々に食事量を増やしていきます。

  • 3.退院は約10~14日で

    順調に経過した場合には、術後10~14日で退院可能となります。術後約1週間程度で、切除した胃とリンパ節の病理結果が判明します。病理結果によって、追加の治療(化学療法)が必要になることがあります。

胃切除術後機能障害 “ダンピング症候群” について

ダンピング症候群とは胃切除手術を受けた人の15~30%にみられる症状で、食物が急速に 小腸に流入するために起こるものです。
食事中や食後の直後に症状が現れる早期ダンピング症候群と、食後2~3時間たってから 現れる後期ダンピング症候群に分けられます。
早期ダンピングでは冷汗、動悸、めまい、顔面紅潮、全身倦怠感、腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの症状があります。
後期ダンピングは、低血糖症状で、頭痛や倦怠感、発汗、めまいなどの症状があります。
予防は、食事の工夫で対応できることがほとんどです。食事の内容は、低糖質、高たんぱく、 なるべく水分のないものが理想です。食事のとり方は、1回の食事量を少なくし、1日5~6回に分けてゆっくり食べることが大切です。

手術の費用について

おおよその入院費用(入院期間2週間)は、幽門側胃切除術で約1,200,000円、胃全摘術で約1,300,000円です。
※実際には高額医療制度が適応されます。